猫又 -二尾の観測者-

妖怪

異界通信 編集部|特別調査レポート


化け猫なのか? ― 闇に揺れる尾

夜更け、畳の上で灯が消える瞬間。
ふと障子の向こうで、影が二つに裂ける。
――猫又(ねこまた)。
日本の闇に古くから棲む、二本の尾を持つ猫の妖怪だ。


祟り神 ― 山に潜む古獣

鎌倉期『明月記』には「南都にて猫胯(ねこまた)人を喰らう」と記された。
その姿は犬ほどの巨体に、燃えるような目。
山の奥で人を襲うその存在は、やがて“山の祟り神”と呼ばれるようになる。

時代が進むほど、猫又は大きく、恐ろしく描かれた。
それは、山という未知への恐怖を具現化した「自然の記憶」だったのかもしれない。


現代まで伝わる伝承 ― 家に棲む化け猫

江戸の町では、猫又は身近な存在へと変わっていく。
「年老いた猫は二尾に裂け、人に化けて踊る」――。
人々はそう信じ、長く飼った猫を山へ返す風習まで生まれた。
夜中に三味線の音がすれば、それは猫又が“同族の皮”を弾いて泣いているという。

猫は死者の魂を見抜く存在として、畏れられ、祀られた。


以外な共通点 ― 火車との共鳴

死者を奪う妖怪・火車と、猫又はしばしば同一視された。
死と再生を司る存在として、葬儀場の猫は忌まれ、
それでも彼らは“境界”に立ち続けた。
人間の恐怖が、猫を妖怪に変えたのだ。


筆者考察 ― 「宇宙から来た二尾の観測者」

猫又の“二尾”は単なる奇形ではない。
筆者はこれを、外部干渉による進化の痕跡と考える。
つまり、猫又は太古に「外部の知性」によって遺伝子操作を受けた地球外由来の生命体――。

猫の異常な帰巣本能、音もなく落下する身体制御、
光の反射を操る瞳――
それらはまるで観察用の生命装置のようだ。

古代文明の壁画にも、二尾の獣が空を見上げる姿が描かれる。
彼らは「祀られた動物」ではなく、観測する側の存在だったのかもしれない。
人が猫を見ているのではなく、猫が人間社会を“記録”していたとしたら――。

猫又は、
「地上を見守る観測者」。
その二尾は、地球と宇宙をつなぐスマートフォンなのかもしれない。


結び ― 尾の先にあるもの

古来、人は恐れを“神”と呼び、
理解できぬものを“妖怪”と名付けた。
だがもし、猫又が観測を続けているのだとすれば――
今もあなたの家の暗がりで、
静かに“監視されて”いるのかもしれない。

現地情報・アクセス

📍 新潟県長岡市南部神社が有名

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